仙台宮城野教会のあゆみ

仙台宮城野教会のルーツは、1906(明治39)年にまでさかのぼります。
この時、仙台の中心街であった国分町の一角に「救世軍仙台小隊」が建てられました。救世軍による伝道の勢いはすさまじいものがあり、後に同じ街道筋にあった南鍛冶町にも「仙台第二小隊」がつくられるまでになりました。そして、仙台小隊も国分町から大町へと移転しました。

伝道の勢いは長く続きませんでした。やがて牧者が去り、信者が離散してしまったのです。そんな時、1941(昭和16)年6月に東京から仙台へ赴任を命じられたのが揚野与之助･節子両士官(牧師)でした。揚野牧師夫妻により、この教会の再開拓が開始されました。奇しくもこの数週間後に、日本基督教団が創立され、救世団(救世軍)仙台小隊も日本基督教団へ加入しました。こうして仙台小隊は「日本基督教団仙台五城教会」となり、ほどなくして「仙台愛泉教会」と改称して、2020(令和2)年3月までの歩みを続けました。

1945(昭和20)年の仙台大空襲で会堂が焼失してしまいます。その後揚野牧師は、教会の再建にあたりました。教会堂を建設するとともに、幼児教育を教会の使命とし「愛児幼稚園」を建設し、多くの卒園生を送り出しました(2018年に閉園)。その後、仙台愛泉教会は1974 (昭和49) 年に、隣接する泉市(現･仙台市泉区)への開拓伝道に取り掛かり、現在「いずみ愛泉教会」として宣教の歩みを続けています。また1981(昭和56)年に、宮城野地域(現･仙台市宮城野区)への開拓伝道に着手し、「宮城野愛泉教会」として宣教の歩みを続けました。その間、仙台愛泉教会は大町から川内地区へ移転し、この地区での伝道に取り掛かりました。

そのような歩みのなかで、仙台愛泉教会と宮城野愛泉教会はそれぞれの今後の歩みを模索するようになり、両教会が合同(合併)することが神の御心と信じるに至ります。数年間にわたる協議を経て、2020(令和2)年3月29日の教会総会をもって両教会の解散を決議し、合同された新しい教会「仙台宮城野教会」が誕生しました。この日を、私たちの教会創立記念日とし、旧宮城野愛泉教会の会堂を用いて、新しい宣教の歩みが開始され、今日に至っています。

しかし、この頃から新型コロナウイルス(Covid-19)による世界的蔓延によって、始まったばかりの教会の歩みは大きな制限を受けることとなりました。それでも、日曜日の礼拝と平日の祈祷会は1回も欠かすことなく今日まで、その営みが続けられています。それだけにとどまらず、現在の社会や地域が求めるニーズに、仙台宮城野教会がどのようにキリストをお届けすることができるかを探りながら、既成概念･固定観念にとらわれない「伝統のある、しかし新しい」開拓教会のスピリットを大切にし、求めていきたいと願っています。

揚野与之助、揚野節子、辺見宗邦、揚野昇、池田貞子、石川深香子、亀井周二、杉本泉、杉本和生、國津信一、國津里咲、上野和明、小川幸子、齋藤篤、齋藤朗子の各氏です。(敬称略)